Salesforceの5年総コストはいくらか — SaaS月額 vs AI駆動開発内製の計算方法(モデルケース付き)

Salesforceに5年でいくら払うか — SaaS月額 vs AI駆動開発内製の計算方法

Salesforce(Sales Cloud)の5年総コストは、「1ユーザーあたりの月額単価×利用人数×60か月」で計算するライセンス費用に、導入・初期設定、運用管理の工数、外部連携、教育・定着の費用を足して求めます。単価はエディションごとに公式サイトで公開されているため、自社の人数を当てはめれば土台になる金額は自分で計算できます「高い」「安い」の断定より、自社の数字での試算が出発点です。

目次

Salesforce(Sales Cloud)の料金はいくらか【2026年9月時点】

本記事は、Salesforceの主要製品であるSales Cloud(営業支援・CRM)の料金を対象とします。Service Cloud等の他製品には別の料金体系があります。Sales Cloudには次の5エディションがあり、単価は公式サイトに次のとおり掲載されています(2026年9月8日確認)。

エディション 単価(1ユーザー/月) 契約形態
Starter Suite 3,000円 月払いまたは年払い
Pro Suite 12,000円 年間契約
Enterprise 21,000円 年間契約
Unlimited 42,000円 年間契約
Agentforce 1 Sales 66,000円 年間契約

このほか、機能を絞ったFree Suite(0円/ユーザー/月)もあります。公式FAQには「Salesforce製品のほとんどは年間契約」と明記されており、支払い方法の詳細は営業担当者への確認が必要です。上記の価格には税込・税抜の表記も最低契約ユーザー数の記載もなく(2026年9月8日時点)、公式サイトには「価格は変更されることがある」との注記もあります。

5年総コストはどう計算するか

総コストの土台になるライセンス費用は、次の式で計算できます。

ライセンス費用(60か月)= 1ユーザーあたりの月額単価 × 利用人数 × 60

ただし、これだけが総コストではありません。実際の総コストは、次の5項目に分解できます。

  1. ライセンス費用(上の式で計算可能。単価は公式サイトに公開)
  2. 導入・初期設定費用(要件整理、データ移行、画面・項目のカスタマイズ等)
  3. 運用管理の工数(ユーザー管理、権限設定、レポート保守等の社内人件費
  4. 連携・追加ツール費用(他システムとの連携開発、有償アドオン)
  5. 教育・定着費用(利用者研修、マニュアル整備、問い合わせ対応)

このうちライセンス費用は単価が公表されているため計算できますが、2〜5は企業ごとに幅が大きく、公式サイトにも金額の記載がありません。次章のモデルケースはライセンス費用のみの試算であり、実際の総コストはこれに2〜5を足した金額になります。

モデルケース: 10名・20名・50名で5年払うといくらになるか

ライセンス費用について、次の前提でモデルケースを試算します。

  • エディション: Pro Suite(12,000円/ユーザー/月)とEnterprise(21,000円/ユーザー/月)の2パターン
  • 人数: 10名・20名・50名
  • 期間: 60か月(5年)、年払い、単価は契約期間中固定と仮定
  • 税: 表示額をそのまま計算に使用(税込・税抜の別記載なし。実際は消費税が別途発生する可能性)
  • 含まないもの: 導入・初期設定、運用管理、連携・追加ツール、教育・定着の費用(前章の2〜5。別途)
  • 値上げ・オプション追加は考慮しない単純計算

Pro Suite(12,000円/ユーザー/月)

ユーザー数 月額 1年 3年 5年(60か月)
10名 120,000円 1,440,000円 4,320,000円 7,200,000円
20名 240,000円 2,880,000円 8,640,000円 14,400,000円
50名 600,000円 7,200,000円 21,600,000円 36,000,000円

Enterprise(21,000円/ユーザー/月)

ユーザー数 月額 1年 3年 5年(60か月)
10名 210,000円 2,520,000円 7,560,000円 12,600,000円
20名 420,000円 5,040,000円 15,120,000円 25,200,000円
50名 1,050,000円 12,600,000円 37,800,000円 63,000,000円

50名・5年のライセンス費用だけで比べると、Pro Suiteは3,600万円、Enterpriseは6,300万円です。ユーザー単価に比例するため、人数が増えるほど差も同じ比率で開きます。参考までに、最も単価の低いStarter Suiteで10名・5年なら180万円、最上位のAgentforce 1 Salesで50名・5年なら1億9,800万円です。自社の人数とエディション単価を前章の式に当てはめれば、同じ方法で計算できます。

ライセンス以外にかかる費用は何か(導入・運用管理・連携・教育)

ライセンス費用以外の4項目は、公式サイトに金額の記載がないため、自社の状況に応じて別途見積る必要があります。

項目 内容の例 公表価格 扱い方
導入・初期設定 要件整理、既存データの移行、画面・項目のカスタマイズ なし(案件ごとに異なる) 導入パートナーやSalesforce営業担当者に別途見積りを依頼する
運用管理の工数 ユーザー管理、権限設定、レポート・ダッシュボードの保守 なし 自社の管理者工数(時間×人件費)で置き換えて試算する
連携・追加ツール 会計・請求システム等との連携開発、有償アドオンの追加 一部あり(アドオン単体のみ) アドオンは公式単価を確認し、連携開発費は別途見積る
教育・定着 利用者研修、マニュアル整備、問い合わせ対応 なし 自社の教育工数、または外部研修費用で見積る

有償アドオンの一例として、公式サイトにはAgentforce for Sales(15,000円〜/ユーザー/月)、Revenue Intelligence(26,400円/ユーザー/月)、Partner Relationship Management(1,200円〜/ユーザー/月)が掲載されています(2026年9月8日確認)。契約プランに含まれない機能を追加する場合、ライセンス費用とは別にこうした費用が積み上がります。

Salesforceを使い続けるのが合理的な会社、自社システムが向く会社

ライセンス費用以外にも工数がかかる以上、Salesforceが合っている会社と、自社の業務に合わせたシステムを検討する価値がある会社は分かれます。

観点 Salesforceが合理的になりやすい 自社システムを検討する価値が出やすい
営業プロセス 標準的な営業プロセスを、大人数の営業組織で回している 自社の商流・稟議フローが独自で、標準機能に当てはめにくい
利用機能の範囲 契約プランの機能を広く使い、AppExchangeで外部連携も追加している 契約している機能のうち、実際に使っているのは一部に限られる
ユーザー数と用途 ユーザー数が多く、全員が同じ機能を共通利用している ユーザー数は多いが、用途は特定の業務に限定されている
ガバナンス・連携要件 監査・セキュリティ・グローバル対応など、ベンダーの継続アップデートに価値がある 外部システムとの連携の作り込みが多く、汎用機能で吸収しきれない

左側に近い会社は、ライセンス費用を払い続けてもベンダーの継続的なアップデートに価値があると言えます。右側に近い会社は、契約機能の一部しか使わないまま上位プランを払い続けている可能性があります。自社の使い方がどちらに近いか整理したい場合は、無料のAI自動化診断も選択肢の一つです。

AI駆動開発で内製した場合、費用の構造はどう変わるか

自社の業務に合わせてAIを組み込んだシステムを内製する場合、費用の発生の仕方がSalesforceのライセンス費用とは異なります。ライセンス費用が利用人数に比例して増え続けるのに対し、内製では初期開発費用がまとまって発生し、その後は保守費用が中心になります。

具体的な費用感は要件で幅が大きいため本記事では再計算せず、AI駆動開発費用の相場まとめを参照してください。同記事は初期開発費用の目安を、最低限の機能のみで50万〜100万円、基本的な機能で100万〜200万円、複雑な機能まで含めると200万〜300万円、非常に複雑な機能では300万円以上と目的別に示し、開発会社に依頼した場合の運用費用は月1万〜5万円が目安としています(2026年9月8日確認)。

損益分岐点は一律には決まりません。累計のライセンス費用が初期開発費用と保守費用の累計を上回った時点が分岐点になる、という考え方はできますが、人数の伸び方や開発内容で結論は変わります。前提が変われば結論も変わる点を踏まえ、自社の条件で試算することが欠かせません。概算を確認したい場合は、AI・ノーコード開発費用見積もりシミュレーターで10個の質問に答えると目安がわかります。

AI駆動開発で作り替えると、何がどう変わるか

Salesforceのようなユーザー数課金の汎用CRMから、AI駆動開発による自社専用システムに切り替えると、まず作るものが変わります。他社と共通の標準機能ではなく、自社の商談プロセス・稟議フローに合わせた専用システム(1社1環境)になり契約ユーザー数に応じた課金の枠から外れます

体制は、担当エンジニア(FDE)が要件整理から運用の定着まで業務に入り込んで伴走する形が中心です(FDE型AI導入支援とは)。進め方は、営業プロセスの棚卸し→最初の1業務(見積作成や商談記録など)→小さく作る(MVP)→拡張という順番です。費用はライセンス費用ではなく、初期開発費用と保守費用という構造になり、具体的な金額は要件次第のため本記事では扱いません。

標準的な営業プロセスをそのまま使え、AppExchangeでの外部連携や監査対応の継続的な更新に価値がある会社は、無理に作り替える対象ではありません

よくある質問

Salesforceの5年総コストは、結局いくらになりますか?

単価×人数×60か月のライセンス費用に、導入・運用管理・連携・教育の費用を足して計算します。たとえばEnterpriseを20名・5年契約すると、ライセンスだけで2,520万円です。

Sales Cloudのどのエディションを基準に計算すればいいですか?

自社が契約中、または検討しているエディションの単価を使ってください。本記事の価格表と試算表の式に、自社の人数を当てはめれば計算できます

Salesforceが高いと感じたら、何を見直せばいいですか?

契約人数と実際の利用人数の差、契約プランのうち実際に使っている機能の範囲、有償アドオンの要否から確認してください。使う機能が一部に限られる場合は内製も選択肢です。

AI駆動開発で内製すれば、必ず安くなりますか?

断定はできません。ライセンス費用の伸び方と内製の初期開発費・保守費を、自社の条件で比較する必要があります。損益分岐点は前提次第で変わります

SaaS費用の考え方を横断的に整理する場合は親記事の「SaaS is dead」とは何か、契約中の全SaaSの棚卸し手順はSaaS費用の棚卸し実務、解約・データ移行等の個別論点は脱SaaSのよくある質問20をご覧ください。営業支援ツールの使われ方は営業業務でのAI活用、ノーコードの費用構造との比較はkintone・Bubble・Power Appsの費用はいくら積み上がるかで解説しています。

自社のどの業務からAI化すべきかを知りたい方は、無料のAI自動化診断をご利用ください。自社の業務に合わせたシステムをAI駆動開発で作る場合の相談・見積りは、株式会社Walkersのシステム開発事業で受け付けています。本記事は、FDE型のAI導入支援を行う株式会社Walkersが運営しています。

参考

執筆時点(2026年9月8日確認)の各公式サイトの公開情報に基づきます。価格は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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